検証
数値は、どこで落ちたかを教えてくれます。なぜ落ちたかは教えてくれません。それは人を観察しないと分かりません。
図の中身を文字で読む
- 何を知りたいかで手法が決まる
- 原因を知りたい
- (質的) ユーザビリティテスト A/Bテスト
- 5人。つまずく箇所と理由が分かる 2案の差を統計で決着させる
- ヒューリスティック評価 ファネル・アクセス解析
- 専門家3〜5人。短期間で洗い出す どこで落ちているかが分かる
- 数で判断したい(量的)
- 数値は「どこで落ちたか」を教えるが、「なぜ落ちたか」は教えない。両方を組み合わせる。
- ✕ 手順を指示する(「予約ボタンを押してください」)→ 迷う場面が再現されない ○ 目的だけを与える
- ✕ 参加者を助ける/身内で実施する/高忠実度の試作で判断する(見た目の影響で評価が甘くなる) 「来週の土曜に施術を受けたい」
ひと目で#
- ユーザビリティテスト
- 実際の利用者に課題を与えて観察する。5人で問題の大半が見つかる
- 思考発話法
- 操作しながら、考えていることを声に出してもらう
- ヒューリスティック評価
- 専門家3〜5人が、既知の原則に照らして点検する
- A/Bテスト
- 2案を無作為に振り分け、統計で比べる
- ファネル
- 段階ごとの通過率。どこで失っているかが分かる
- KPI
- 判断に使う少数の指標。対になる指標を併せて見る
数値は「どこで落ちたか」を教えますが、「なぜ落ちたか」は教えません。
使い分け#
| 知りたいこと | 手法 |
|---|---|
| なぜつまずくのか | ユーザビリティテストに思考発話を添える |
| 短期間で問題を洗い出したい | ヒューリスティック評価 |
| 2案のどちらが良いか決着をつけたい | A/Bテスト。訪問数が十分にあるとき |
| どの段階で失っているか | ファネル |
| 改善の前後を主観で比べたい | SUS。10問の尺度 |
| 導線が見つかるか | 初回クリックテスト |
間違えやすいところ#
- 手順を指示する「予約ボタンを押してください」では、迷う場面が再現されない。目的だけを与える
- 参加者を助けるつまずいた原因が分からなくなる
- 身内で実施する前提を知っているので、初見の反応が得られない
- 忠実度の高い試作で判断する見た目に引きずられて、評価が甘くなる
- 発言だけを記録する実際の操作との食い違いを見落とす
- A/Bテストで有意性を確かめずに判断する偶然の差を効果だと思い込む
- 途中で結果を見て打ち切る偶然の偏りを拾う
- クリック率だけを指標にするその先の成約や解約まで見なければ意味がない
- SUS の得点をパーセントと読む相対的な位置を示す数値。平均は68程度
図の中身を文字で読む
- 課題文を1行変えると、見えるものが変わる
- 試されているのは参加者ではなく、こちらが作った構造と名前。
- ✕ 手順とナビの語が入っている
- 「料金ページを開いて、予約フォームから申し込んでください」
- 起きること
- 「料金」の文字を探し当てる作業になる
- 5人全員が成功する
- トップに金額の手がかりが無いことは見えない
- ○ 目的だけを与える
- 「ここで施術を受けるといくらかかるかを調べて、申し込みまで進んでください」
- 起きること
- 探し方は本人に委ねられる
- 5人中2人が料金の手前で止まる
- 直す対象がトップの側だと分かる
- この日直したのは課題文ではなくトップ。全員が成功するテストは、成功したこと以外を教えない。
課題文の書き方1つで、結果の意味が変わります。全員が成功したテストは、成功したこと以外を教えません。
直す例#
架空の案件を1つ例にとります。どこを見て、何をどう直すかを書きます。
例として、公開前の課題テストで、最初に書いた課題文は「料金ページを開いて、予約フォームから申し込んでください」でした。下のシートの課題文の欄には「手順を指示しない。ナビの語を使わない」と注意があります。この文は両方を踏んでいました。5人全員が成功しましたが、それは「料金」の文字を探し当てるゲームです。「ここで施術を受けるといくらかかるかを調べて、申し込みまで進んでください」に書き直して別の5人でやり直すと、2人が料金の手前で止まりました。原因はトップに金額の手がかりが1つもないことでした。直したのは課題文の側ではなく、トップの側です。
確認する#
- 課題文に、ナビやボタンの語がそのまま入っていない
- 合格線を、テストを始める前に書いてある
- つまずきごとに、直す対象が構造・名付け・文言のどれか特定できている
このページで扱う語#
このページで扱う語を並べる本文では太字5 語
語の名前から引くなら用語索引へ。
- ニールセンの10原則
- ヤコブ・ニールセンが1994年に整理した、インターフェース設計の10個の経験則。
- コンバージョン率
- 訪問者のうち、目的とする行動を完了した人の割合。
- SUS
- 10個の質問への5段階回答から、使いやすさを0〜100の得点で表す評価尺度。
- オンボーディング
- 初めての利用者が、価値を実感するまでを支える一連の体験。
- フリクション
- 利用者が目的へ進むときに生じる抵抗。手数、待ち時間、迷い、心理的な障壁の総称。
この話が要る場面#
このページが答えになる、現場の困り事です。困り事の側から探すと、同じ場所に着きます。
5人に触ってもらう。意見ではなく、詰まった場所を見る。
5人に触ってもらい、詰まった場所を記録する
この場面のほかの困り事と、そのまま貼れる部品は迷わせないにまとめてある。逆引きには全188件。
テストを計画する#
テストは、始める前に合格線まで決めておくと、結果の読み方に迷いません。5秒テストと課題テストの計画を、1枚のシートにまとめます。
記入済みの見本は、架空の案件「常盤野市の整体サロンのサイト制作」です。
5秒テスト(第一印象を測る)
課題テスト(たどり着けるかを測る)
# 検証の計画シート(常盤野市の整体サロンのサイト制作)
## 5秒テスト(第一印象を測る)
### 見せるもの
トップのファーストビュー。スマホ幅のスクリーンショット1枚を5秒だけ見せる。
### 問い
何のサイトでしたか
どんなことができそうでしたか
覚えている言葉はありますか
### 合格線
5人中4人が「整体・施術のサロン」と答える。3人以上が「予約できる」に触れる。
### 人数
5人。前提を知らない社外の人。身内と同業者は避ける。
## 課題テスト(たどり着けるかを測る)
### 見せるもの
操作できる試作。トップ→料金→予約フォーム→完了画面まで。
### 課題文
肩がつらいとします。ここで施術を受けるといくらかかるかを調べて、申し込みまで進んでください。
### 合格線
5人中4人が、助けなしで完了画面まで到達する。声をかけるのは「いま何を考えていますか」だけ。
### 人数
5人。2人以上がつまずいた箇所を直して、もう一周。
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