文章のNG表現リスト
AI が書いた文章は、語彙ではなく型で見抜かれます。落ちる型を10に分けて、書き換えまで並べました。
見た目の AI slop はAI Slopを避けるで扱います。ここは文章のほうです。
コードや配色と違って、文章の落ち方には測れる基準がありません。代わりに、落ちる型を名前で持っておくと、書いた直後に自分で見つけられます。
型で覚える#
語を1つずつ覚えても、言い換えられた途端に見落とします。なぜ落ちるのかで束ねます。
| 型 | 何が起きているか |
|---|---|
| 前置きの儀礼 | 本題の前に、儀礼の一文が入る |
| 講師口調 | 読者を生徒として扱う |
| メタ発言 | 中身ではなく、自分の書き方を説明する |
| 締めの決まり文句 | 終わりに、内容のない確認を置く |
| 過剰なへりくだり | 主語をぼかし、責任の所在を曖昧にする |
| 抽象への逃げ | 判断すべきところで、程度を表す語に逃げる |
| 対句と三連 | リズムだけが整い、中身が増えていない |
| 誇張の常套句 | 事実より強い語で、価値を先に宣言する |
| 記号の癖 | ダッシュ・絵文字・太字が、意味ではなく装飾で入る |
| 文の長さが揃う | 同じ長さの文が続き、読み流される |
落ちる型と、書き換え#
前置きの儀礼#
読み手はもう本題を知っています。儀礼の一文は、そのぶん本題を遠ざけます。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| ご質問ありがとうございます。◯◯について説明します。 | ◯◯は△△です。 |
| お問い合わせいただき、誠にありがとうございます。 | (削る。返答から始める) |
| それでは、さっそく見ていきましょう。 | (削る) |
| 結論から申し上げますと | (前置きを削って、結論を書く) |
「結論から言うと」と書いた時点で、結論から書けていません。
講師口調#
読者は生徒ではありません。手順を追わせるとき以外、誘いの語尾は不要です。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| ~していきましょう | ~します/~してください |
| ~を見ていきます | ~を見ます |
| まずは基本から押さえましょう | 基本は◯◯です |
| ここで一度整理しておきましょう | 整理すると、◯◯と△△です |
メタ発言#
自分の書き方の説明は、読み手の役に立ちません。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| ここからが本題です | (削る。本題を書く) |
| ここ、飛ばさないでください | (削る。飛ばされる内容なら、位置を変える) |
| この記事では〜について解説します | (削る。1文目から解説する) |
| 少し長くなりましたが | (削る) |
| 以下では詳しく見ていきます | (削る) |
締めの決まり文句#
終わりの一文は、次の行動か、判断の基準を書く場所です。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| いかがでしたか? | (削る) |
| 参考になれば幸いです | (削る) |
| ぜひ試してみてください | (何を、どの順で試すかを書く) |
| 今後の展望 | 次に決めるのは◯◯です |
| まとめると、◯◯は重要です | まとめると、◯◯は△△なので□□します |
過剰なへりくだり#
丁寧さは語尾の数では増えません。増えるのは字数だけです。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| ~させていただきます(連発) | ~します |
| ~のほう、確認させていただければと存じます | ~を確認します |
| ~かと思われます | ~です/~と考えます |
| 恐れ入りますが、~いただけますでしょうか | ~をお願いします |
抽象への逃げ#
判断を書くべきところで程度の語を使うと、読み手は何もできません。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| 適切に設定します | --space-4(16px)にします |
| しっかり確認します | キーボードで Tab を一周し、順序を記録します |
| 十分な余白を取ります | 見出しと本文は 8px、節の間は 32px |
| 必要に応じて調整します | 幅 375px で崩れたら、2列を1列に落とします |
| ユーザー目線で考えます | 予約を終えた人が次に何を探すかで並べます |
対句と三連#
3つ並べると整って見えます。整っただけで、情報は増えていません。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| 速く、美しく、そして確実に | 表示は1.5秒以内。崩れは375pxで確認 |
| 単なる◯◯ではなく、△△なのです | ◯◯は△△です |
| ◯◯こそが、△△の本質です | ◯◯を先に決めます。理由は△△だからです |
| デザインとは、見た目ではなく設計である | 見た目より先に、順序と関係を決めます |
誇張の常套句#
価値は、読み手が決めます。書き手が先に宣言すると、疑われます。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| 革命的な/画期的な | (削る。何が変わったかを書く) |
| 劇的に改善します | 3.2秒から1.4秒になります |
| 圧倒的な使いやすさ | 手順が5つから2つになります |
| 最先端の技術 | (技術の名前を書く) |
| 誰でも簡単に | (何分で、どこまでできるかを書く) |
記号の癖#
| ✕ | ○ |
|---|---|
| 二倍ダッシュ(――)で挿入句をつなぐ | 読点で切るか、文を分ける |
| 見出しに絵文字を足す | (削る。見出しは語で立たせる) |
| 1段落に太字が3か所以上 | 1段落に1か所まで |
| 「」と『』を強調に使う | 太字か、語そのものを変える |
| 箇条書きの各行が3文以上 | 箇条書きは1行1文。長いなら本文に戻す |
文の長さが揃う#
短い文を3つ続けると、断定が強すぎて読み流されます。 中くらいの文が続くと、輪郭がぼやけます。
| ✕ | ○ |
|---|---|
| 余白は大事です。読みやすくなります。整います。 | 余白は関係を示します。近いものは近く、遠いものは遠く置くと、読む順序が線を引かなくても伝わります。 |
| (中くらいの文が5つ続く) | 1つを短く言い切り、次を長く説明する |
書いたあとに、文の長さだけを数えて眺めます。同じ長さが3つ続いたら、どれか1つを削るか、つなぎます。
自分のリストとして持つ#
ここに並べたのは、よく出る型です。そのまま使うより、自分の言葉で書き直したほうが働きます。
- 書いた文章から集める。 直したくなった箇所を、直した理由ごと控える
- 型で束ねる。 語を並べるだけだと、言い換えられた瞬間に見落とす
- 1ファイルにまとめて、そこだけを正本にする。 AI に渡す設定からは参照だけさせる
- 機械で検査する。 語の一致で拾えるものは、公開前に自動で落とす
- 消していく。 出なくなった型は外す。長いリストは読まれない
検査の書き方はAIの出力を検収するにあります。この資料自身も、公開前に同じ検査を通しています。
間違えやすいところ#
- 語を禁止して終わる型が残るので、別の語で同じことが起きる
- リストを長くする読まれない。出た型だけを残す
- 人の書いた文章に当てるこれは自分の文章のための道具
- すべて機械に任せる「文の長さが揃う」「対句」は、読み返さないと分からない