利用者を捉える
誰のために作るか、なぜ選ばれるか、どこで失うか。道具はそれぞれ、別の問いに答えます。
図の中身を文字で読む
- ペルソナ 誰のために作るか ジョブ理論 なぜ選ばれるか ジャーニー どこで失うか
- 達成したいこと・制約・持っている知識 人は製品ではなく「片づけたい用事」を雇う 認知から利用後までを時間軸で並べる
- ✕ 年齢や趣味を細かく書く 競合の範囲が変わる 画面の外の接点も対象
- ✕ 想像で作る(思い込みに名前がつくだけ) 予約システムの競合は電話代行かもしれない 確認メール・当日の対応・再訪
- 感情の起伏を追うと、投資すべき箇所が見える
- 最後の印象
- 最も落ちる箇所
- 知る 比べる 迷う 申し込む 待つ 受け取る 再訪
- 体験の評価は、最も強い瞬間と終わり方でほぼ決まる(ピークエンドの法則)
ひと目で#
- ペルソナ
- 誰のために作るか。調査に基づく利用者像
- ジョブ理論
- なぜ選ばれるか。人は製品ではなく「片づけたい用事」を雇う
- ユーザージャーニー
- どこで失うか。知ってから使い終えるまでの過程
- ジャーニーマップ
- それを時系列の表にした成果物
- サービスブループリント
- 裏側の業務まで、同じ時間軸に並べる
- 共感マップ
- 1人の内面を4つの象限に整理する
使い分け#
| 答えたい問い | 使う道具 |
|---|---|
| 複数の利用者層のうち、誰を優先するか | ペルソナ |
| なぜ自社ではなく、よそが選ばれるのか | ジョブ理論 |
| どの段階で離れているか | ジャーニーマップ |
| 裏側の業務が体験に響いていないか | サービスブループリント |
| インタビューの記録を整理したい | 共感マップ |
| どこに力を集めるか | ジャーニーの上のピークと終わり |
間違えやすいところ#
- ペルソナを想像で作る作り手の思い込みに名前が付くだけ
- 年齢や趣味を細かく書く判断にはほとんど効かない。目的、制約、知識を書く
- ペルソナを5人以上作る優先順位を決める働きが失われる
- 作ったあと見返さない判断の場面で使われなければ、意味がない
- ジャーニーをサイトの中に限る知る前と使ったあとが抜ける
- 感情の曲線を想像で描く根拠にならない
- ジャーニーマップを壁に貼って終わる課題を特定し、担当と期限を決めるまでが工程
- 発言だけを集める言っていることと、実際の行動の食い違いが見えない
図の中身を文字で読む
- 同じ1人でも、書く項目が変わると決まることが変わる
- 見るのは「この行を読んで、画面のどこが決まるか」。
- ✕ 想像で埋めた属性 ○ 目的・制約・知識
- 34歳・女性・会社員 目的: 夜のうちに予約まで終えたい
- 趣味はヨガとカフェめぐり 制約: 電話ができるのは昼休みだけ
- 夫と二人暮らし 制約: 見るのは通勤電車のスマホ、1分未満
- 明るく社交的な性格 知識: 整体は初めて。相場を知らない
- 決まること: なし。 決まること: 3つ。
- 趣味と性格からは、料金をどこに置くかを引き出せない。 料金を最上部へ/フォーム予約を足す/総額を先に書く
- 5人以上に増やすと、優先順位を決める働きが消える。判断の場で開かないなら、作っていないのと変わらない。
ジョブの3側面#
機能的(何を成し遂げるか)、感情的(どう感じたいか)、社会的(どう見られたいか)。機能だけを見ると、選ばれる理由を見誤ります。
直す例#
架空の案件を1つ例にとります。どこを見て、何をどう直すかを書きます。
例に使うのは、整体サロンの案件です。店主が想定する客は「近所の年配の常連さん」でした。ところが検索の流入語は「常盤野 整体 夜」が最多で、閲覧は21時以降に偏っています。この利用者で下のシートを埋め直すと、判断に要る情報の1位は総額になり、離脱の理由には「予約が電話だけ。夜は掛けられない」が挙がりました。そこでトップの最上部に料金への導線を置き、電話に加えてフォーム予約を足しています。常連さん向けをやめたのではなく、先に応える相手を決めただけです。
確認する#
- 利用者像が目的・制約・知識で書かれていて、年齢と趣味の細目だけになっていない
- 「判断に要る情報」の順と、画面の上から下の順が一致している
- 「離脱の理由」の1行ごとに、対応する直しが決まっている
この話が要る場面#
このページが答えになる、現場の困り事です。困り事の側から探すと、同じ場所に着きます。
年齢や属性ではなく、何を片づけたくて来たのかで書く。
このコードで動いている見本です
この場面のほかの困り事と、そのまま貼れる部品は迷わせないにまとめてある。逆引きには全188件。
利用者シートを書く#
厚い資料のペルソナを作る前に、まず1ページで利用者を言葉にします。埋まらない欄は想像で埋めず、聞きに行く先の一覧として残してください。
記入済みの見本は、架空の案件「常盤野市の整体サロンのサイト制作」です。
# 利用者シート(仕事帰りに探す会社員(初めての来店))
## 誰が
市外へ通勤し、夜に常盤野駅へ戻る会社員。
デスクワークで肩と腰がつらい。整体は初めてで、強い施術には不安がある。
相場を知らないので、価格の高い安いを自分では判断できない。
## 何をしに来る
自分に合いそうな店かを確かめて、予約するかどうかを決めに来る。
今日は見比べる段階。その場で申し込むとは限らない。
## 来る直前の状況
夜22時、帰りの電車でスマホ。検索語は「常盤野 整体 夜」。
似た店を2〜3件続けて見ている。1件にかける時間は1分もない。
## 判断に要る情報
1. 総額。追加料金が出ないか
2. 施術の強さと流れ。着替えの有無
3. 担当がどんな人か
4. 夜は何時まで受け付けるか
5. 予約の空きと、申し込みの手間
## 離脱の理由
料金がトップから1タップで見つからない
室内の写真がなく、様子が分からない
予約が電話だけ。夜は掛けられず、翌日には忘れる
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