通し実例:小さなサロンの情報設計
10ページのサイト1件を、ページの洗い出しから木が決まるまで通しで見せます。
架空の案件です。常盤野市の整体サロン、担当ひとりの完全予約制で、ページは10枚しかありません。それでも順番を守らないと、決めたはずの構造が公開直前に崩れます。考え方は情報設計にあり、このページはそこにある記入シートを1件ぶん埋めきった記録です。同じ欄を自分の案件で埋めるなら、親ページの道具を使ってください。
1. ページを全部書き出す#
シートの1です。分類はまだ考えず、思いつく順に並べます。
| # | ページ |
|---|---|
| 1 | トップ |
| 2 | 施術の流れ(受付から会計まで) |
| 3 | 料金 |
| 4 | よくある質問 |
| 5 | 担当の紹介 |
| 6 | 部屋と設備の写真 |
| 7 | アクセス(道順・駐車場) |
| 8 | ご予約の方法 |
| 9 | お知らせ |
| 10 | プライバシーポリシー |
ここで分類を始めると、思いついたページが分類の枠に引きずられて減ります。書き出しきってから束ねる順にする理由はそれだけです。
2. 利用者の目的で束ねる#
シートの2です。店主が最初に出した案は3つでした。
| 店主の案 | 中身 |
|---|---|
| メニュー | 施術の流れ/料金 |
| お店について | 担当の紹介/部屋と設備の写真/アクセス |
| ブログ | よくある質問/お知らせ |
自分の仕事の区分で束ねてあります。困るのは、初めての人が来る前に確かめたいこと(流れ・料金・不安への答え)が3つの箱に散らばる点です。目的で束ね直します。
| 束 | 中身 |
|---|---|
| 来る前に確かめたい | 施術の流れ/料金/よくある質問 |
| 人と場所を知りたい | 担当の紹介/部屋と設備の写真 |
| 行き方と申し込み | アクセス/ご予約の方法 |
| ナビに載せない | お知らせ(トップの新着で出す)/プライバシーポリシー(フッター) |
4つ目の束が要ります。全ページをナビに載せる必要はなく、載せない判断もここで一緒に済ませます。
3. ナビに載せる項目を決める#
シートの3です。束の名前がそのままナビになるとは限りません。「来る前に確かめたい」は説明であって、ナビの語ではないからです。
- 施術の流れ
- 料金
- はじめての方へ
- サロン紹介
- アクセス
- ご予約
6項目。5±2の範囲に収まっています。「よくある質問」は「はじめての方へ」という箱に入れ、「担当の紹介」と「部屋と設備の写真」は「サロン紹介」にまとめました。ここで束が2つ減り、ナビが6項目で済んでいます。
4. 深さを決める#
シートの4です。上の6項目をトップの直下に置き、まとめた2枚だけがその下に入ります。
図の中身を文字で読む
- 決まった木。ナビは6項目、深さは2まで
- 6項目は5±2の範囲。7を超えたら束ねるか、ナビから外す。
- トップ
- 施術の流れ 料金 はじめての方へ サロン紹介 アクセス ご予約
- 担当の紹介 この2枚だけが深さ2。
- 部屋と設備の写真 残りは全部トップの直下。
- ナビに載せない2ページ お知らせ → トップの新着として出す プライバシーポリシー → フッター
- 1ページの置き場所は1つ。同じページを2か所に置くと、パンくずが決まらない。
トップ
├ 施術の流れ
├ 料金
├ はじめての方へ(よくある質問)
├ サロン紹介
│ ├ 担当の紹介
│ └ 部屋と設備の写真
├ アクセス
└ ご予約
深さは2まで。10枚のサイトで3階層を作ると、1ページあたりの中身が薄くなります。迷ったら深くせず、1枚にまとめられないかを先に考えます。
5. 名付けを点検する#
シートの5です。ここが最後で、いちばん効きます。
| 元の言い方 | 直した名前 | 直した理由 |
|---|---|---|
| メニュー | 料金 | 金額を探しに来た人の言葉に合わせた |
| Q&A | はじめての方へ | 初回の不安に答える箱だと分かる |
| セラピスト紹介 | 担当の紹介 | 職名より、誰が担当するかが伝わる |
| インフォメーション | お知らせ | 何が置いてあるかが名前で読める |
「アクセス」はそのまま残しました。日常で使う語で、ほかの言い方(行き方・地図・所在地)より探す人が多いからです。言い換えること自体が目的ではありません。
6. 作った木を試す#
構造と名前が妥当かは、見た目を作る前に試せます。ツリーテストでは、文字だけの木を見せて課題を1つずつ渡します。
| 課題 | 5人の結果 |
|---|---|
| 施術を受けるといくらかかるか調べる | 4人が最初のクリックで「料金」。1人は「はじめての方へ」を経由して到達 |
| 当日に何を持っていけばよいか調べる | 3人が「はじめての方へ」、2人が「施術の流れ」に分かれた |
2つ目で票が割れました。2つの箱の境界が利用者から見えていません。木は変えず、持ち物の記載を「はじめての方へ」に集め、「施術の流れ」の本文からそこへ1本リンクを張りました。名前を変えるより、中身の置き場所を1つに寄せるほうが早く済む場面です。
7. 決めたことを画面へ渡す#
木が決まったら、画面に出る3か所を同じ木から作ります。ヘッダーのナビ、パンくず、公開のサイトマップです。どれか1つを手で書き足すと、そこから食い違いが始まります。