エラーメッセージの文例
直せないエラーは、黙っているのとほとんど変わりません。よく起きる5つの場面を、悪い文と直した文の対で並べます。
3つの部品でできている#
どの文言も、何が(どの項目のどこ)、なぜ(受け付けられない理由)、どう直すか(次にする操作)の3つに分解できます。行き詰まりを生むのは、たいてい3つ目の欠落です。
| 部品 | 書き方 |
|---|---|
| 何が | 項目名を主語にする。「この項目」と書かない |
| なぜ | 事実だけを書く。責める語を使わない |
| どう直すか | 動詞で書く。例を1つ添えると説明が短くなる |
必須の欄が空のまま送信された#
実表示 項目名を示す
避ける この項目は必須です
使う お名前をご入力ください
- ✕ この項目は必須です
- ✕ 入力してください
- ○ お名前をご入力ください
「この項目」は作り手側の言い方です。項目名で名指ししておくと、送信時のエラー一覧に並べたときもそのまま使えます。理由が伝わりにくい欄では、「ご連絡のときに使います」のように、なぜ要るのかを一文足します。
形式が違う#
実表示 不足している文字と例を示す
避ける 入力形式が正しくありません
使う メールアドレスに @ が入っていません。例: hana@example.com
- ✕ 入力形式が正しくありません
- ✕ 半角英数字で入力してください(何が違うのかは分からないまま)
- ○ メールアドレスに @ が入っていません。例: hana@example.com
形式の名前を説明するより、いま足りないものを名指しするほうが短く済みます。正しい例を1つ添えれば、規則の説明はたいてい要らなくなります。
文字数の下限や上限を外れた#
実表示 残りの数を示す
避ける 8文字以上で入力してください
使う パスワードは8文字以上です。あと3文字ご入力ください
- ✕ 文字数エラー
- ✕ 8文字以上で入力してください
- ○ パスワードは8文字以上です。あと3文字ご入力ください
- ○ お問い合わせ内容は1,000文字までです。いま1,240文字あります
条件だけを言われた利用者は、自分で数えることになります。残りや超過を数で示すと、次にする操作が決まります。
すでに登録がある#
実表示 次の行き先を示す
避ける このメールアドレスは既に存在します
使う 登録済みです。ログイン、またはパスワードの再設定へお進みください
- ✕ このメールアドレスは既に存在します
- ○ このメールアドレスはすでに登録されています。ログイン、またはパスワードの再設定へお進みください
ここでの直し方は打ち直しではなく、行き先の提示です。ただし、入力するだけでアカウントの有無が分かる画面は、第三者にとっての手掛かりにもなります。会員登録では「ご登録のメールアドレス宛にご案内をお送りしました」に寄せ、詳しい状況はメールの中で伝える方法もあります。
サーバー側で失敗した#
実表示 再試行の手段を示す
避ける Error 500
使う 送信できませんでした。数秒おいて、もう一度お試しください
- ✕ Error 500
- ✕ 予期しないエラーが発生しました
- ○ 送信できませんでした。通信がいったん切れています。数秒おいて、もう一度お試しください
利用者の入力に非がないときは、まずその事実を伝えます。入力内容は消さずに残し、再試行の手段を同じ画面に置きます。復旧の見込みが立たない障害なら、電話などの別の連絡手段を添えます。
送信時の一覧と文言を揃える#
先頭にまとめて出す一覧は、件数、項目名、直し方の順で書きます。「3件の項目にご確認いただきたい点があります」に続けて、各行は項目名と直し方を並べ、欄の下に出す文言と同じ言葉を使います。言い回しがずれると、飛んだ先が別の話に見えます。
避けること#
- 「不正」「無効」「失敗しました」だけで終える。利用者が何かを犯したように読める
- 「エラーが発生しました」で済ませる。事実を何も伝えていない
- 感嘆符を付ける。急かす調子になり、落ち着いて直せない
- 開発用のコードを本文にする。問い合わせ用に末尾へ小さく添えるのはよい