書体の選び方
書体は声です。何を言うかより先に、どんな声で言うかが伝わります。
図の中身を文字で読む
- セリフ サンセリフ スラブセリフ 等幅
- Rg Rg Rg Rg
- 線端に飾りがある 飾りがない 飾りが太く角張る 全文字が同じ幅
- 伝統・格式・文学性 中立・現代性・UI向き 力強さ・見出し向き コード・データ・技術の記号
- ウェイトは書体を増やさずに階層を作れる
- Light 300 書体を1つに保ったまま
- 見出しの例 本文には細すぎる
- 3段の階層が作れる。
- Regular 400 見出しの例 本文の標準 書体を2つ以上使うより、
- まずウェイトで差をつける。
- Bold 700 見出しの例 見出し・強調
ひと目で#
- 書体
- 文字のデザインそのもの。フォント = それを実装したファイル
- セリフ
- 線の端に飾りがある。和文の明朝体にあたる。伝統、格式
- サンセリフ
- 飾りがない。和文のゴシック体。中立で、今の声。UI の既定
- スラブセリフ
- 飾りが太く角張る。力強い。見出し向き
- 等幅書体
- 全部の文字が同じ幅。コードと、技術的な文脈の記号
- ウェイト
- 線の太さ。書体を増やさずに階層が作れる

使い分け#
| こうしたい | 選ぶもの |
|---|---|
| 信頼と格式を出したい(士業、医療、老舗) | セリフ、明朝体 |
| 中身を前に出したい。UI のラベル | サンセリフ、ゴシック体 |
| 見出しに重みが欲しい | スラブセリフか、太いウェイト |
| コード、ID、日付、仕様を見せたい | 等幅書体 |
| 書体を増やさずに階層を作りたい | 同じ書体のウェイト差。3段まで |
| 読み込みを軽くしたい | システムフォント(system-ui) |
間違えやすいところ#
- クリエイティブだからセリフ体根拠が薄い。大規模言語モデルが何も指示されないときに選ぶ既定でもある
- 書体を2つ以上使って階層を作るまずウェイトで試す。書体が増えるほど、まとまりが失われる
- 読み込んでいないウェイトを指定するブラウザが機械的に太らせ、字形が崩れる
- 和文ゴシックの Light を本文に使う画面では線が細すぎる。コントラスト比も下がる
- 欧文で Gothic を探す欧文の Gothic はブラックレター(ひげ文字)を指すことがある
書体が増える事故は、要素ごとに「合う書体」を選ぶと起きます。ページ単位で声を数えると止まります。
図の中身を文字で読む
- ✕ 1ページに4つの声
- 1要素ずつは悪くないのに、通すと騒がしい
- Sweets Factory
- 季節の焼き菓子を毎朝、窯から出しています。
- 予約する
- 装飾書体
- 明朝
- ゴシック
- ○ 役割で声を絞る
- 本文とUIはゴシック1系統。別の声は1か所だけ
- 季節の焼き菓子を、毎朝。
- 窯から出したてを、店頭とオンラインで販売しています。
- 予約する
- 明朝は h1 だけ
- 本文ゴシック
- UIも同じ系統
- 価格は書体でなく
- ¥3,240 等幅 ¥3,240 太さと級数で立てる
- 書体を足す前に、同じ書体のウェイトと級数で差が作れないかを試す。増えた書体は、読み込みも増やす。
直す例#
架空の案件を1つ例にとります。どこを見て、何をどう直すかを書きます。
洋菓子店のLPの初稿です。ヒーローは筆記体風の装飾書体、本文は細い明朝、ボタンはゴシック、価格は等幅と、1ページに4つの声が重なっています。1つずつ見れば悪くないのに、通して見ると騒がしい。原因は要素の作りではなく、書体の数そのものです。
本文とUIを端末のゴシック1系統に戻し、明朝は h1 の1行にだけ残します。価格は書体を変えず、太いウェイトと級数で立たせます。声が「本文の1系統+要所の明朝」まで減った時点で、ばらつきの印象はほぼ消えます。
確認する#
- 1ページの書体が「本文系1つ+等幅」と、装飾の1点までに収まっている
- 太字が機械的な太らせになっていない(Bold のウェイトを実際に読み込んでいる)
- 欧文が和文書体の字形で出ていない(スタックの先頭は欧文書体)
使えるパターン#
このページで扱う語#
このページで扱う語を並べる本文では太字6 語
語の名前から引くなら用語索引へ。
- タイポグラフィ
- 文字を読みやすく、意図どおりの印象で伝わるように配置・調整する技術と、その成果物。
- フォント
- 書体を特定の大きさ・太さ・幅で実際に使える形にした一揃い。現在はフォントファイルを指す。
- ディスプレイ書体
- 大きな級数で使うことを前提に設計された書体。本文用より線の強弱や字間が詰まっている。
- フォントファミリー
- 同じ書体設計に基づく、ウェイト・幅・イタリックなどのバリエーションをまとめた集合。
- イタリック
- 傾きを持つ字形。イタリックは手書きに近い別設計の字形、オブリークは直立体を傾けただけのもの。
- 線幅対比
- 1つの文字の中で、太い線と細い線の差がどれだけあるか。
この話が要る場面#
このページが答えになる、現場の困り事です。困り事の側から探すと、同じ場所に着きます。
長文を静かに読ませるなら明朝、画面のUIとして操作させるならゴシック。混ぜるなら役割で分ける。
このコードで動いている見本です
合成太字になっている。太字のファイルを読み込み、font-weight で実在するウェイトを指定する。
このコードで動いている見本です
この場面のほかの困り事と、そのまま貼れる部品は文字を読ませるにまとめてある。逆引きには全188件。
書体で組み比べる#
同じ見本文を、候補の書体で組み比べます。見本文は案件の実テキストに差し替えられ、選んだ候補がそのまま font-family スタックになります。
実際の書体名から選ぶならWebフォントを試すへ。Google Fonts の日本語書体を全件並べています。
/* 端末の書体で賄う。読み込みゼロ */
body { font-family: "Hiragino Sans", "Noto Sans JP", "Yu Gothic UI", system-ui, sans-serif; }
この道具は JavaScript で動きます。無効の場合は、上の表と既定値のコードを使ってください。